初歌舞伎でみた女性とアジール

二十日正月を過ぎた先日。
十年来の親友に誘われ、歌舞伎座新開場柿葺落
『壽初春大歌舞伎』を初観劇

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リニューアルオープンしてから
今年初めての歌舞伎座
今回の演目はこちら。

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一幕目。
「仮名手本忠臣蔵」九段目 山科閑居
義太夫狂言では、睡魔と戦うことが多いのですが、今回は
意地と義理、死を覚悟した女の戦いが印象に残りました。

二幕目。
乗合船惠方萬歳
新年を迎えた隅田川でたまたま、
船に乗り合わせた個性あふれる7人。
その彼らを「宝船に乗った七福神」に見立てるご祝儀舞踊

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今回一番心に残ったのが、
「東慶寺花だより」
井上ひさしの同名小説を原作とする新作歌舞伎
舞台は、江戸幕府公認の女性救済の寺・鎌倉の東慶寺の御用宿。
東慶寺には、実際に駆け込み寺、縁切り寺として、
キッパリ離縁するためのシステムがあったとのこと。

『離縁』をテーマに、男と女の不思議な情話が
ユニークに歌舞伎作品としてまとまっていました。

東慶寺花だより (文春文庫)東慶寺花だより (文春文庫)
(2013/05/10)
井上 ひさし

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改めて原作を読み返したとき、
特別収録の『東慶寺とは何だったのか』という
文章に目が留まりました。

「アジールという言葉を耳になさったことがおありでしょうか」
という冒頭の問いかけから始まるのですが、
アジールはギリシア語を語源とし、日本語では、
隠れ場所、聖域、尊い地域、保護区、治外法権の避難所を
意味するのだそうです。
(英語でasylum、独語でAsyl、仏語でasileと記されます。)

「夫と別れたい」という妻たちのアジールが、鎌倉の東慶寺。
自由を求める女性たちは意外にも多かったのだそう。
(江戸後期までに、少なくとも三千人もの女性が駆け込んだそうです。)

『七去』(離縁するための七つの条件)のイメージが強かったので、
江戸時代は女性が少なく、庶民の間では(一応、建前はあるものの)
女性が珍重されていたという説を知り、ちょっとビックリしました。
離縁しても、女性の再婚率は80%。
自分で稼いで、自分で生きていく力をもっていたのだとか。

新年早々、女性の生きかたと縁切りという
ディープなテーマについて、しばし黙想。

素に戻れる場所、心のよりどころとしてのアジール、
友人たちを大事にしたいと思う今日このごろです。

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