FC2ブログ

手を合わせる

  • Day:2011.05.01 22:17
  • Cat:Art
快晴の週末。
薫風を受けつつ、世田谷美術館へ行ってきました。

2011Maysetagaya

砧公園の一角にある建物。

さて、お目当ては企画展。
「白洲正子 神と仏、自然への祈り」
能に造詣の深い随筆家・白洲正子が歩き訪ねた
寺社の名宝、約120点が一挙に公開
白洲正子さんの生誕100年、
世田谷美術館開館25周年記念の特別展ということで、
関係各所の気合いがひしひしと感じられます。

さて、館内に入り
目に飛び込んできたのは、
『手を合わせる』というタイトルの直筆原稿。

<手を合わせるというのは、古今東西を通じて、神に祈る時のかたちである。
そこに十字架とか、マリア様とか仏像の類があるときはやりやすい。
人に祈ることを教えるためにそういう目標を作ったのではないかと思うことさえある。
だが、もし盲人の場合はどうするのか。
自分の心に対して手を合わせることしかできないだろう。
それをイメージと呼ぶのかも知れないが、
心は心が思っているほどじっとしているものではない。
始終安念を生じたり、右往左往する厄介な代物だ。
そういう時私は手を合わせる。
手を合わせていると、右の指先から左の指先へ血が通い、
その逆にも行くようになって、次第にバランスがとれて落ち着いてくる。
それは自分だけの事だろうが、今もそういう風にしてこの原稿を書いた。>

白洲さんは、「十一面観音像」を巡る旅もしています。

十一面観音巡礼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)十一面観音巡礼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
(1992/08/04)
白洲 正子

商品詳細を見る


今回、十数体の十一面観音像がお目見え。
マイベストは、飛鳥時代の「十一面観音菩薩立像」。
素朴な感じがして、スッと手を合わせたい気持ちに。

さらに、この本の一節。

西国巡礼 (講談社文芸文庫)西国巡礼 (講談社文芸文庫)
(1999/06/10)
白洲 正子

商品詳細を見る

<日本には「信心」という言葉がある。
「何ごとのおはしますかは知らねども」の何ごとかを信じる心である。
たしかに、私達は、外国人がいう意味での宗教も信仰も持たないかもしれないが、
もしかするとそれ以上に、強烈な信心を秘めていないとはいい切れない。
何ごとのおわしますかは知らないものを、
信ずるほどむつかしいことはないのだから。
大げさなことをいえば、日本の文化は、文学も美術も芸能も
みなそういう心から生れたといえるのではないだろうか。>

秘仏や神像、曼荼羅や能面、宝物、狛犬等の展示品がありましたが、どれも見事なまでに美しい

渡来してきた文物を模倣するのは、日本のお家芸。
けれど。
白洲さんの文章をかみしめつつ、展示品を見つめていると、
単なる模倣というのではなく、作り手の精神性というか、
ある種「たましい」が込められていると感じました。

神も仏も自然も、そして文化までも、
手を合わせ受け容れてきた先人たちを思うと厳かな気持ちに。

いつか機会を見つけて、『巡礼』してみたいと思います。




スポンサーサイト



Comment

Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)