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長月の文楽(東京公演)第二部観劇&文楽座学

  • Day:2018.09.24 22:33
  • Cat:Report
秋分の日を迎えまして、陽から陰へ移り変わる時期。
相次ぐ災害、地震、悪天候等で被害、影響を受けられている方に
お見舞い申し上げるとともに、すべての皆様が心穏やかに
安心、安全に過ごされますよう、心より祈念致しております。

さて、長月の文楽(東京公演)観劇、今回は第二部、
NPO法人人形浄瑠璃文楽座の文楽座学のレポートを
備忘録的にアップ致します。

『夏祭浪花鑑』は、全九話の世話物(時代世話)。
国立文楽劇場のWebサイトに掲載されていた寄稿
松竹の歌舞伎演目案内等で、あらすじが分かります。
ものすごくざっくりいうと、大阪の魚屋さんによる舅殺し。

今回の文楽座学1回目は、早稲田大学文学部児玉教授によるレクチャー。
古地図と慶應義塾大学所蔵の挿絵(文献)を眺めつつ。

刺青=彫り物≠入れ墨

『刺青・性・史 逆光の日本美』という著作についても
少し触れておられましたが、学生時代、
谷崎潤一郎ワールドに耽溺していた私としては
かなり興味深かったです。

2018bunrakuDSC_1566.jpg

文楽座学2回目は、人形遣いであられる
吉田勘市さんによるレクチャー。
(第一部の出演ながら、団七を御持参いただき、感謝です)
5月の公演でも大変分かりやすかったので、
レクチャー目的で国立劇場伝統芸能情報館へ馳せ参じました。
そこで、上方落語と人形浄瑠璃の共通点など伺いました。
たとえば、『初音の鼓』や『寝床』、
そして今回の五段目「道行妹背の走書」は
落語の演目『ふたなり』に重なっているとのこと。
浅薄な知識ですので、イヤホンガイドでは分からないこと、
どこかで観たけれど覚えのないことも多々あり、
ああなるほど、といろいろ納得致しました。

また、六段目「釣船三婦内の段」。
人妻の色気を醸し出している侠客の女房が
焼けた鉄弓を当てて傷を作る場面があるのですが、
講義の中で南北朝時代に曹洞宗 最乗寺をひらいた
了庵慧明禅師の妹とされる
慧春尼信仰についてお話されていました。
私は、生まれも育ちも小田原です。
程近い南足柄の最乗寺は、
たびたび伺ったことがあります。
ですが、美女の慧春尼が入門を願ったが許されず、
自分の美貌が妨げになるのならと、
焼け火箸を顔に当て「我が心を示せり」と
弟子入りを願ったという話は全く知りませんでした。
さらに、女人救済のため、薪を積み上げて火をつけ、
自身を法灯と化して入定したということも。

お話を聞くにつれ、私にとって、
少し遠くに感じていたストーリー、人間模様が
一気に、とても近づいた感じがしました。
私は一公演に何度も足繁く通うことはできないのですが、
拝見する度、太夫さんも三味線さんも人形遣いの方も
まさに三位一体で素晴らしいと感じております。

レクチャーにいらっしゃった方で、大阪の舞台と国立劇場とでは
どこか違うとお話されていましたが、
キャパや間口の問題ではなく(多少それもあるかもしれませんが)
やはり文楽のためにつくられた劇場と、
それ以外では違うような気が致します。
11月公演は、大阪に行くことが出来たらと思いつつ、
年末進行を念頭に、粛々と諸々励んで参ります。
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